さて今回はミュージシャンの天敵とでもいいましょうか、耳コピのやり方、練習方法をまとめていきます。
好きな曲があって、それを練習したいのにスコアが無くてイライラしたことって、ありますよね?
絶対音感があって、耳コピできるのであれば話は違ってきますが。。。
ということで、今回はそんな絶対音感がない私たちができる、感覚と理論を使ったコードの耳コピと単音の耳コピの練習についてです。
根気がいる練習になりますが、音感を鍛え、スケールなどのちょっとした理論を知っていたら誰でもできるようになりますので、ぜひ頑張ってください。
耳コピのやり方
耳コピとは耳でコピーするの略語だと思いますが、私は昔、雑誌か何か(おそらくバンドやろうぜ)でこの言葉を知りました。
概要としては、曲を聴いてそれを弾くという、いたってシンプルなものになります。
が、です。耳コピでギターを弾くって、なかなかできないですよね?最初は。
どーやって耳コピするかと言うと、まずは音感を鍛える練習が必要になります。
絶対音感
簡単に言えば、絶対音感とは音を音名で言い当てれる能力です。英語ではPerfect Pitchまたは、Absolute Pitchと言います。
これがあれば苦労しないのですが、これは物心つく前から音楽をやっていたら身につく能力ですので、ほとんどの人は持ち合わせてない能力と思います。
まぁ、練習である程度身につくと思うんですが。というのも私はギターの簡単なコード音に限ってだとわかりますが、複雑なコードや、ソロなどの単音になると、この音だろうなという完全に予想です。
相対音感
絶対音感に対して、練習すれば身につく相対音感があります。英語でRelative Pitchと言います。
これは相対的な音程で音を認識するものです。
簡単にいうと、今ドの音を聞いていて、次の音がドからどのくらい高いか低いかで音を認識するものなんですね。
私が出来るのはこの方法で、今回のレッスンは相対音感を鍛えるものになりますので、努力次第では誰でも耳コピができるようになります。
スケールを使った耳コピ
ジプシージャズのレッスンということで、私がやった耳コピのコツというか、トリックを紹介します。
基本的にジャズやジプシージャズは、曲の構成が2−5−1、1−4−5等で出来ています。色々なジプシージャズの曲を練習したら分かるのですが、結構パターン化していて、このパターンを覚えたら多くのジプシージャズの曲を耳コピできるようになります。
また、アルペジオ、スケール、ダイアトニックコードを知っていると、耳コピが早くなります。
コードの耳コピ練習方法
ベース音を聞き取る
まずは、好きな曲を聴きましょう。で、その曲のベース音が聞こえると思いますが、それを口ずさんでください。まずは最初の4〜8小節(コード4つ分くらい)くらいの長さでやります。
ベース音を口ずさむ事はすぐにできると思いますので、ベース音を覚えたら曲を止めて、それをギターで単音で弾いていきます。
ここで重要なのは最初の音から次の音への幅、ですので、キーは気にせずに曲通りの感覚でベース音を探してください。(聞き取るのはベース音であって、ベースラインではないのであしからず)
例)耳コピした音がEーF#ーBーEだとしましょう。
実際に曲を聞き返してみると最初の音がGだったとします。
E-F#-B-Eの流れをGに変えると、GーAーDーGになります。
このように、曲の出だしの音が間違っていても、流れ(進行具合)が同じであれば、すぐに調整できるのです。
キーチェンジの練習は「キー変更の練習法」を参考に
ちなみに私はこの練習法を音楽を聴くたびにやっています。歩いている時、CDを聞いている時、カフェにいてかっこいい曲が流れた時など。
2〜3ヶ月もしたら、自分でも驚くくらいにベース音の聞き取りができるようになってますので。
ちなみに、一番難しいのは最初の音を見つけるところだと思いますので、その時はひたすら最初の音をリピートして聞いてください。
聞き取ったベース音をコードにする
ベース音がわかり、これをコードにする時ややこしいですよね?コードの種類って沢山あるし。。。
初めのうちは、この3通りのコードが聞き分けれたらOKです。
メジャーコード(明るい音)
マイナーコード(暗い音)
ドミナント7コード(ドミナントな音?)
自分のギターでメジャーコードとマイナーコードを弾き比べてみてください。
全然音の種類が違うでしょ?
また、ドミナント7は7thコード特有の響きですよね。メジャーっぽくも無いし、マイナーっぽくも無いし。
さて、先ほどのベース音GーAーDーGをコードで弾く時に役に立つのがダイアトニックコードです。これを知っていると、ジャズやボッサノヴァなどはもとい、ロック、フォークなど色々なジャンルで、コードを予想できます。
注)ダイアトニックコードについては「ギター初心者〜中級者におすすめ!ダイアトニックコード表と一覧 」を参考に
では、上記の例えを使って聞き取った音がGーAーDーGだとします。
キーGのダイアトニックコードは、G – Am – Bm – C – D7 – Em7 – F#m7b5です。なので、ベースラインがGーAーDーGで動いていたら、私はこう予想します。
[box06 title=”予想コード”]GーAmーD7ーG(ダイアトニック)
GmーAmーD7ーGm(ダイアトニック)
GmーA7ーD7ーGm(経験から)
[/box06]上2つのコード進行は、ダイアトニックに沿ったコード進行で、一番下の進行は、ジプシージャズでよく出てくるので書きました。(解説すると、A7はGmに対する5度のD7に対してのセカンダリードミナントとしてAmではなくA7を使っている)
絶対にこうだ!というわけじゃありませんが、多くの場合はこの流れに沿っていると思います。
また、代理コードを使う場合は、見た目が違うかもしれませんが、紐解いていくと、ダイアトニックになることが多いと思います。
ポップ・ミュージックやロック、フォークなどは、ダイアトニックに沿った進行じゃ無いことも五分五分でありますが、基本的にダイアトニックコードを知っていたら、すぐに予想できます。
ジャズ以外の曲に使われているコードの予想
- 出だしのコードがG・・・G Am Bm C D Em F(F#)
- 出だしのコードがBm・・・Bm C#m D Em F#(F#7) G A(Am)
ほとんどダイアトニックコードに沿った進行になっていますが、ドミナント7があまり使われないイメージがありますね。 (上の予想コードが絶対という訳じゃないので!)
このようにダイアトニックを知っていると、例えば耳コピをしていてキーGの曲だったらC#は弾こうとしないでしょうし、Eじゃなく、Emを候補にいれるでしょうし、といった感じで、耳コピ中の音、コードの予想がしやすくなるんです。
ソロの耳コピ
単音の場合も同じで、ダイアトニックやスケールをしっていたらキーGの曲でBbの音を試そうとは思はないし、D#やC#も使おうとしないと思います。(ジプシージャズの場合は、一概には言えませんが。。。)
コードの耳コピと同じで、メロディーを口ずさみそれを弾いていく、という練習になります。
スケールを知っていたら不要な音を試そうと思わないので、以外に簡単に耳コピできますが、単音の場合はもう本当に辛抱強く何度もやることです。下記リンクを参考に!
- スケールとアルペジオの練習メジャーキー
- スケールとアルペジオの練習マイナーキー
- セブンスコードのスケール、アルペジオ
- ディミニッシュコードのスケールとアルペジオジプシージャズのプレイヤーで、ジミーローゼンバーグという凄いギタリストがいるのですが、ドキュメンタリーでこんなことを言っていました。
「ソロを全音口ずさめるようになったら、ソロが弾ける。だから曲は何百回と聞き返す」って言っていました。
このぐらいの根気で頑張りましょう。
練習
それでは曲を使って練習しましょう。
ポイントは、以下になります。
スケールを知っていたら、耳コピ中に余計な音を試さないので、耳コピが早くなる
コードはダイアトニックコードを知っていたらほぼ応用できる
上記のトリックに必要な知識は下の記事に詳しく書いているので、参考にして下さい。
音感を鍛える
課題曲に入る前に、ちょっとした音感を鍛える練習です。
チューニングはある程度自分の耳だけでできた方がいいので、チューニングの音を覚える練習も1日5分くらいやってみて下さい。
動画では1、2、3弦のみ録画しましたが、これを全ての弦でやって下さい。
課題曲
聞いての通り、この曲はジプシージャズとは全然関係ありませんが、先日参加したジャムセッションでこの曲をやったので、紹介しようと思います。
耳コピのコツ
以前のレッスンでも言った様に「まずはベース音を聞き取り、コードを弾く」という練習にバッチリな曲です。
ちなみに「ベース音を聞き取る」ってことは「ベースラインを聞き取る」ってことではありませんので。
例えばこの曲の様にベースラインが動いていても、コードのベース音を弾けば、マッチする音がわかりますので。
ただ、この曲の様にべースラインが肝になっている曲は、ベースラインもコピーしていいと思います。
スタートのベースラインで結構コードが見えて来ますね。
以前お伝えした様に、ジャズではない曲は、ダイアトニックコードが完全に当てはまる場合と、そうでない場合がありますが、おおよそダイアトニックの構成です。
コレも以前お伝えしましたが、ポップ、ロック等ではドミナント7コードが使われない場合が多いです。
コード進行もAメロBメロともに同じで、A-A bridge B-Bの進行です。
ヒントとしてベースラインのタブ譜を載せますが、極力見ないでやって下さい。
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コード進行は一番最後に記載しています。
Gipsy Lullaby
ジプシーララバイなんて曲名つけましたが、子供にギターを聞かせて寝付けていた時に、いい感じにアドリブが曲っぽくなったので、レッスンに使おうと思っただけです。
進行はA-A-B-Aでコード進行も王道ジプシージャズって感じです。
ほぼ3コードなのでリズムギターはわかりやすいと思います。
ソロは2箇所だけ早いところがありますが、この部分を30回も聞けばメロディーが頭に入って弾けると思います。
こちらも下にコードとメロディーのタブ譜をつけますが、見ないで耳コピを頑張って下さい。
最後に
いかがでしたか?
最初は時間がかかりますが、こればっかりは慣れなので、諦めずにどんどんやっていきましょう!!
ではタブ譜をどうぞ。
(No RootsはAA bridge BBなのですが、AメロとBメロが同じコード進行だったので、下記にはAA bridge AAと書いています)
まとめ
まずはベース音を繰り返し聞き、コードにする。コードはダイアトニックコードを参考にする。
ソロはひたすら聞き返し、歌えるくらい覚えたら、スケールを参考にメロディーを弾いてみる。
相対音感を鍛え、ちょっとした理論を知っていたら誰でもできるので、頑張りましょう!