そう言えばなんですが、ジプシージャズのギタリスト、偉人たちを書いたものってあまりないですよね?
日本語だと情報量が少ないし、発音や読み方が日本語バージョンになっていて全然違う名前になったりしていますよね。
例えば、ジプシージャズ(gipsy jazz/gypsy jazz)、スウィングジャズ(swing jazz)。これは英語で、フランス語ではJazz manouche(ジャズ マヌーシュ)、日本語ではマヌーシュ ジャズといった感じで変わってるんですよね。
私はジプシージャズ関連の練習は殆ど英語かフランス語(仏はあんまり喋れないですけど)でやってたので、ジプシージャズ入門のレッスンを始めて、日本語の言い方を調べると日本独特の発音になってたりして驚いています。
日本語の言い方でもいいと思いますが、海外での発音を知ってても損はないと思いますので、海外で通じる現地の発音でも名前を書いています。
さて、今回は歴史的な偉人と、ジプシージャズのギタリストたち、過去、そして現役のプレイヤーを含めてご紹介していきますので、今後の練習に役に立てて下さい。
注)ちなみに、名前にJean ‘django‘ reingardt のように、アポストロフで区切っている名前があだ名や通称で、基本は人物の出身地の発音で名前の読みを記載しています。また、目次の年代は活動を始めた時期で分けています。
- 1 1900~
- 2 1930~
- 3 1960~
- 3.1 Lulu Reinhardt (1961年 ドイツ生まれ)
- 3.2 Bireli Lagrene(1966年 フランス出身)
- 3.3 Isaak ‘stochelo’ Rosenberg (1968年 オランダ出身)
- 3.4 Angelo Debarre(1962年 フランス出身)
- 3.5 Patrick ‘Romane’ Leguidecoq(1959年 フランス出身)
- 3.6 Frank Vignola(1965年 アメリカ生まれ)
- 3.7 Stephane Wrembel(? フランス生まれ)
- 3.8 Robin Nolan(1968年 ベトナム生まれ)
- 3.9 Samy Daussat(1972年 フランス生まれ)
- 3.10 Paulus Shäfer(1978年 オランダ出身)
- 3.11 Joscho Stephan(1979年 ドイツ生まれ)
- 3.12 Yorgui Loeffler(1979年 フランス生まれ)
- 3.13 David Reinhardt(1986年 フランス生まれ)
- 3.14 Noe Reinhardt(1979年 フランス生まれ)
- 3.15 Jimmy Rosenberg(1980年 オランダ生まれ)
- 3.16 Sebastien Giniaux(1981年 フランス生まれ)
- 3.17 Diknu Schneeberger(1990年 オーストリア生まれ)
- 3.18 Olli Soikkeli(1991年 フィンランド生まれ)
- 3.19 Noé Reine(1999年 フランス生まれ)
- 4 最後に
1900~
Jean ‘Poulette’ Castro
ジェン プゥレット カストロは若かりしのジャンゴやバロ フェッレ等の若いジプシー達にギターを教えた人です
Jean ‘Django’ Reinhardt(1910年 ベルギー生まれ)
言わずと知れたジャンゴラインハルト。ジプシージャズの始祖です。仏語ではジャンゴレナードと発音します。
ちなみにベルギー生まれとなってますが、この時代のジプシー達は、冬はフランスの北部、ベルギーで越冬し、暖かくなるとフランス南部に移動してたためで、私が知る限り、ベルギーとはそこまで関わりが深いわけじゃ無いようです。
Stephane Grappelli (1908年 フランス生まれ)
ジャンゴの相棒であるヴァイオリニスト ステファングラペッリ。亡くなる前の1990年頃にジミーローセンバーグと一緒に演奏しました。名前からもわかるようにイタリアからの移民で、幼少期は食べていくために路上で演奏をしていました。
Joseph ‘Nin-Nin’ Reinhardt (1912年 フランス生まれ)
ジャンゴの弟でリズムギター担当のジョゼフ。通称ニンニン。
ジャンゴが亡くなった後、もう2度とギターを弾かないと言って引退したけど、その後友人に誘われてソロを弾いてレコーディングしてます。
Joseph Reinhardt Bric brac Circa 1955 – YouTube
Jean-joseph (Pierre) ‘Baro’ Ferret (1908年 フランス生まれ)
フェレット3兄弟の長男、ジャン ジョセフ (ピエー) バロ フェレ
テクニックはジャンゴに勝るとも劣らずだったのですが、「ジャンゴのようにメロディーを弾けない」と言ってミュージシャンをやめ、マフィアみたいなことをしていましたが、時々ギターは弾いていたようです。
1930~
Mondine Garcia (1936年 フランス生まれ)
モンディーン ガルシア。ニニン ガルシア(ninine garcia)の父
Louis Faÿs
ルイスフェイ。ラファエル フェイ(Raphaël Faÿs)の父
Raphaël et Louis Faÿs Sweet Georgia Brown (Bernie/Pinkard/Casey) – YouTube
Jean-jacques ‘Babik’ Reinhardt (1944年 フランス生まれ)
バビクラインハルト(仏語バビク レナード)
ジャンゴの息子でプレイスタイルは父親を受け継ぎ、発展させた感じのジャズプレイヤーです
BABIK REINHARDT ” NUAGES” – YouTube
Tchavolo Schmitt (1954年 フランス生まれ)
チャボロ シュミット。有名なギタリストで、トニー ガトリフ(Tony gatlif)の映画 Swingに出演しています
Tchavolo & Dorado Schmitt “Kali Sara” & “Tchavolo swing” – Latcho drom – YouTube
Dorado Schmitt (1957年 フランス生まれ)
チャボロのいとこでドラド シュミット。有名曲Bossa dorado(ボサドラード)の作曲者です
Jacques ‘ninine’ Garcia (1956年 フランス出身)
ニニン ガルシア。以前パリの伝統あるジプシージャズバーla chope des pucesに言った時に彼がちょうど演奏していたのでラッキーでした。
Raphaël Faÿs(1959年 フランス生まれ)
上記で紹介したルイスの息子でラファ(ラファエル フェイ)。1979年から2011年くらいまで、毎年のようにCDをリリースしていました。フラメンコにも影響を受けたスタイルです
1960~
Lulu Reinhardt (1961年 ドイツ生まれ)
ノト レナードの息子でルル レナード。ジプシージャズソングのNoto swingとLulu swingの作曲者です
Bireli Lagrene(1966年 フランス出身)
言わずと知れたビレリ ラグレーン。14歳の時にレコーディングしたライブCD〜Routes to Django〜で、デビューしました。ジャンゴの弟のニンニンがこれをきいた時に「ジャンゴが帰ってきた」と言ったのは有名ですね。
その後はジャズにハマっていったのですが、2000年くらいからはジプシージャズをまた弾くようになりました
bireli lagrene con sylvain luc -made in france- – YouTube
Isaak ‘stochelo’ Rosenberg (1968年 オランダ出身)
イザク ストヘロ ローゼンバーグ。日)ストーケロ ローゼンバーグ
私のジプシージャズ入門のレッスンでも彼の曲やビデオを紹介しているのでご存知の方も多いと思いますが、ジャンゴの後継者って感じのソロを弾きます
Angelo Debarre(1962年 フランス出身)
色々な名曲を生み出しています、アンジェロ デバレ。
パリの有名なジプシージャズバーで演奏していたので何度か彼を見に行きました。テクニックがすごいです
[EXTRAIT] Angelo Debarre Quartet au Lieu-Dit – YouTube
Patrick ‘Romane’ Leguidecoq(1959年 フランス出身)
通称ロマン。よくストヘロローゼンバーグと一緒に弾いています。私は彼とストヘロが一緒に弾いているライブ動画が好きです。
Romane & Stochelo Rosenberg – For Wes – YouTube
Frank Vignola(1965年 アメリカ生まれ)
フランク ヴィニョラ。若い頃はジミーローゼンバーグと演奏もしていましたが、その後ジャズの方に行ってしまいました。2017年に大事故にあってしまい今だに治療中の様です。
Stephane Wrembel(? フランス生まれ)
ステファン レンベル。このジプシージャズ入門でも紹介したBistro Fada の作曲者で今はアメリカ在住です。
Robin Nolan(1968年 ベトナム生まれ)
ロビン ノーラン。ベトナム生まれで香港などで育ち、その後ロンドンに移住。今はアムステルダム在住。gypsy jazz secretsなどでギターを教えています
Samy Daussat(1972年 フランス生まれ)
サミードサット。この偉人伝に出てくる人物でロマ(ジプシー)じゃないのは彼と他数人です。私は今だにパリに行ったら、彼からレッスンを受けます。うまいし、理論を説明できるし面白い人です。
Paulus Shäfer(1978年 オランダ出身)
ポウルス シェファー。超絶テクニックのギタリストです。
Joscho Stephan(1979年 ドイツ生まれ)
ジョショー シュテファンは神業的なテクニックを持っています。他のジプシージャズプレイヤーとは違うスタイルですが、メチャクチャすごいです。
ロックっぽいピッキングを使う数少ないジプシージャズプレイヤーです
Yorgui Loeffler(1979年 フランス生まれ)
ビレリラグレーンの遠い親戚のヨーギ。
David Reinhardt(1986年 フランス生まれ)
ダヴィド レナード。ジャンゴの息子のビビクの息子。ジャンゴの孫です。
Noe Reinhardt(1979年 フランス生まれ)
ノエ レナード。上記のダヴィドの親戚で、ノエ、ダヴィド、サミーでDavid Reinhardt Trioというバンドをやってました。
Jimmy Rosenberg(1980年 オランダ生まれ)
ジミーローゼンバーグ。ストヘロ ローゼンバーグの従兄弟です。若くして有名になり、15〜16歳でドラッグにはまってしまいました。最近はちょこちょこやっているようですが、昔のキレが無くなってしまっていますが、是非youtubeでチェックして見てください。
Sebastien Giniaux(1981年 フランス生まれ)
セバスチャン ジニュウ。かなり特徴的なジプシージャズを弾きます。是非チェックして見て下さい。
Diknu Schneeberger(1990年 オーストリア生まれ)
ディクヌ シュニーベァーガー。オーストリア、ウィーン生まれ。父親はJoschi Schneeberger(ヨシ シュニーベァーガー)でHarri Stoika(ハリーストイカ)と一時期バンドを組んでいました。
ちなみに、ハリーストイカはジプシージャズっぽい音楽をやっていますが、かなり独特です。
Olli Soikkeli(1991年 フィンランド生まれ)
オーッリ ソイッケッリ。超絶テクニックを持った若いタレントです。最近はアメリカで演奏しています
Noé Reine(1999年 フランス生まれ)
ノエ レン。私が最初に見たときは14〜15歳くらいの時で、この頃にはすでにパリ南部のサモアで毎年6月に開かれるジャンゴフェスティバルに出ていたので有名でした。
最後に
いかがでしたでしょうか?
知ってる名前もあれば、知らない名前も多かったと思います。
ジプシージャズの練習には、色々なミュージシャンの曲を聞く事は重要なので是非上記のプレイヤーをチェックして見て下さい。
ジプシージャズの練習ならこちらの「ジプシージャズギター練習法の全て」をご覧ください